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出前館
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有名芸能人を多数登用していることで有名な「出前館」だが、今期の営業赤字が500億円と大きくロスを出す予定、その原因に「販促費」つまり有名芸能人による販促費が原因であるとの説明なのだが、、、
記事のグラフを見てみると、確かに広告宣伝費は増えてはいるもののそれ以上の割合で売上原価が膨れ上がっている。そしてこの原価の中には配達員の人件費も含まれているのだ。
物流屋の目から見てこの「出前館」のビジネスモデルは日本では難しい気がする。
3年前中国の深圳を訪れた時「出前館」同様の食事の配送業者がバイクや自転車に乗ってうじゃうじゃ走っていて、レストランの前では待機する配達員が大勢たむろしていた光景を目撃しているのだが、彼らの一回当たりの配送料金を尋ねたらなんと5元(85円)だそうだ。
今や東京より物価が高いと言われる深圳で、一回85円で食事を配達してくれる低所得の労働者が山ほど存在するということ、つまり所得格差の激しいこの国でしか成り立たないビジネスモデルではないかと思っている。
従って「出前館」にとってみると売上原価のうち配送に係る人件費をいかに抑えるかということが広告宣伝費よりも最優先課題であるが、残念なことにこの国は格差のない平和な国なので1回85円で食事を運んでくれる人は存在しない。
どうやら注文料金の4割が配送手数料となるようだが、我々物流屋の目から見て物流費率40%という世界は想像できないし日本がこの先超格差社会になることも考えにくいだろう。
中国で見た光景が日本におけるこのビジネスモデルの難しさを示唆している。